数学の場合と同様に、独学で入試を突破するレベルまで持っていく最も代表的な方法について記述します。
全く知識のない初めから独学するのであれば、まず最初は技術評論社の「岡野の化学が初歩からしっかり身につく」かナガセの「岸の化学をはじめからていねいに」をやりましょう。
ある程度基本が分かっている人は、この段階は飛ばしても構いません。
次の段階では旺文社の「大学受験Doシリーズ」の理論・有機・無機の講義編と問題演習編をやりましょう。この段階で基礎は終了です。
更に次の段階では数研出版の「実戦化学重要問題集 化学基礎・化学」で総仕上げをします。この問題集を何周も回せば入試で出題される問題はほぼ網羅されていますので、これで市販の問題集は打ち止めとしても良いです。標準レベル以下の大学を受験するのであれば、この重要問題集のA問題のみでも構いません。
難関大学を受験するのであれば、更に三省堂の「理系大学受験 化学の新演習」迄やっておく必要があります。
それとはまた別に同じく三省堂の「理系大学受験 化学の新研究」は、勉強を進めていくうえで分らない箇所を調べるための辞書として活用しましょう。この新研究は受験する大学のレベルには関係なく、辞書として持っておいて損はないと思います。
数学と違って化学の問題は5分ほど考えて分からなけれ、すぐに答えを見て構いません。
但し計算についてはできるだけ電卓は使わず、手計算で簡単にできる方法を身に着けておきましょう。例えば10^-3と10^-10の足し算があれば後者はオーダーが違うので省略できるとか、手計算ならではテクニックがあるのでそれも押さえておきましょう。
化学は暗記科目的な要素が強いので、一度全範囲を終了しても入試の前に暗記事項ののメンテナンスが必要になる場合があります。
この暗記事項のメンテナンスに活用できるのが文英堂の「大学入試の得点源 化学」の理論・有機・無機と旺文社の「橋爪のこれだけで合格!」の理論・有機・無機です。
どちらも非常に薄い問題集なので2~3週間あれば1周できるでしょう。
また問題集ではありませんが要点を整理したコンパクトな参考書として、旺文社の「入試に出る スピード総整理」も良書です。
また重要問題集迄を終わらせて一通り基礎ができている人であれば、ナガセの「化学 レベル別問題集」の受験する大学のレベルに対応した問題集のみをやり込むという方法もあります。
どの段階でも言えることですが化学の暗記事項はゴロ合わせで覚えると効率が良いです。そのゴロ合わせの書籍としては、もう廃版になっていますが旺文社の「化学攻略ゴロあわせ88.」や中川出版の「大学入試 ここで差がつく! ゴロ合わせで覚える化学130 」や教学社の「風呂で覚える化学―センター試験・赤本から選んだ100ポイント」などがあります。
またゴロはインターネットで検索すればかなりの数がヒットしますので、自分でゴロ合わせを検索して暗記しても良いでしょう。
それ以外の問題集としては駿台文庫の「原点からの化学 化学の計算」や同じく駿台文庫の「有機化学演習」「新理系の化学」などがありますが、時間がないのに敢えて手を出す必然性はないでしょう。
標準レベルの大学を受験するのであれば、重要問題集を終わらせた後すぐに教学社の赤本に進んで構いません。
数学の場合と同様通常の赤本と20ヵ年などの2種類ありますが、最初は通常の6ヵ年なり7ヵ年掲載されている赤本の最新版と年度が被らない様にひとつ前の赤本の2冊を準備して全問解いて下さい。
次に20ヵ年のAレベルとBレベルのみ通しでやって下さい。2周目以降も同様です。
赤本の様な実践演習の段階でも化学の場合は、10分ほど考えて分からなければすぐに答えを見て構いません。
化学の場合も数学と同様、過去問至上主義で演習を行っていきましょう。
最後に共通テスト対策ですが、共通テストなってからセンター試験とは大幅に傾向が変わりました。
数学と違って共通テスト対策と2次試験対策で勉強法が異なると言うことはありません。今迄やってきた2次試験の勉強が、そのまま共通テスト対策にもなります。
河合出版の「共通テスト総合問題集」と駿台文庫の「大学入学共通テスト実戦問題集」をやり込むのは数学と同様です。
学習のペースとしては化学は暗記科目的な要素が強いので、早くから勉強を開始しても忘れてしまう恐れがあります。
なので高校2年生の終わりまでに重要問題集なり新演習を終了させ、高校3年生になってから赤本に取り組むという計画で充分です。
なお勉強のペースメーカーとして、河合塾や駿台の模擬試験を受験しておくことについても数学と同様です。特に阪大や京大などの難関大学には"阪大オープン模試"や"阪大実践模試"などの冠模試がありますので、是非受験しておきましょう。
以上独学で大学受験化学を勉強していく為の代表的な方法について記載しました。
児島誉治
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